思わず笑顔になれる!寄席で落語を聞いてみるべき理由

日本で昔より親しまれている「落語」は、若い世代の人が聞いても十分に楽しめる芸能です。完成度の高い演目を、落語家が熟練の演技で演じてくれる姿を見れば、パワーをもらえること間違いなし。今回は、落語の持つ魅力について詳しくご紹介していきます。

目次

気づけば励まされている落語の魅力

落語と聞くと難解なイメージがあり、歳をとらないとよく理解できないのではないかと考える人がいるかもしれません。しかし、それは大きな間違いです。多くの落語家が目指しているのは、「誰が聞いても理解できる」演目。そのため、熟練の噺家が行う落語は、誰が聞いても楽しめる内容になっています。

落語の魅力は、登場する人物が皆生き生きとしているところです。基本的にはどちらかというと駄目な人たちの物語となっているケースが多いですが、うまくいかないなりに精いっぱい生きようとしている人たちの姿を聞かされると、自分も知らず知らず頑張ろうと励まされているのではないでしょうか。

古典落語と新作落語の違いに注目!

落語には、大きくわけて「古典落語」と「新作落語」の2つが存在します。

古典落語とは、江戸から明治にかけて作られた演目であり、庶民が主人公なのがほとんど。現在演じられているほとんどの古典落語は、江戸時代から内容があまり変わっておらず、歴史的な価値もあるといえます。完成度も高く、芸としての高尚さを感じさせられる作品が多いのも、大きな特徴です。

新作落語は、大正以降に作られた落語であり、現代で作られた落語もここに該当します。一般庶民の生活にフォーカスした古典落語に比べ、その時その時の時事ネタが取り入れられているのが大きな特徴。分かりやすい面白さに惹かれるのであれば、新作落語がおすすめです。

1度は聞いておきたい落語の演目

落語には数多くの演目が存在します。特徴はさまざまであり、人によって好き嫌いはありますが、初心者であれば以下でご紹介する3つの落語から聞いてみるのがいいでしょう。

寿限無

「寿限無寿限無五劫の擦り切れ……」というフレーズは、落語に触れたことはなくても聞き覚えがあるのではないでしょうか。古典落語の定番である「寿限無」は、少しでも縁起がいい名前を息子につけてやりたいと考えた父親が、あれもこれもと取り入れていくうちに読むだけで疲れが出そうなほど長い名前になるというお話。ただ子供の名前を呼ぶだけでくすりとさせられる、完成度の高い演目です。

時そば

聞き終えた後、「悪いことはできないな」という気にさせられるのが、そば屋を舞台にした演目「時そば」です。内容は、ある日1人の男がそば屋の代金をうまくごまかしている姿を目撃した主人公が、同じように代金をごまかそうとするも、やることなすことすべて失敗するというお話。結果として損するばかりになった主人公の滑稽さには、笑ってしまうこと間違いなしです。

芝浜

落語はただ笑うだけでなく、思わずほろりと来る演目があるのも特徴です。「芝浜」は、人情を感じさせる代表的な演目といえるでしょう。内容は、大金が入った財布を拾った男が歓喜して宴会を楽しむものの、次の日目が覚めると財布は消え、妻からも知らないといわれてしまうお話。財布の行方や消えた理由についてはすぐに予想ができるものの、オチまで聞くと夫婦の愛にジーンとすることでしょう。

すぐにでも楽しめるのが落語の魅力!

落語はその気になれば寄席に足を運んだり、音源を聞いたりすることですぐにでも楽しめるのが魅力です。事前に用意しなければならないものもないため、少しでも興味があるようなら、ぜひ落語を聞いてみてください。