子どもの好奇心を育てる「プレーパーク」とは

公園でも、学童保育でもない子どもたちの居場所「プレーパーク」をご存知でしょうか。公園から遊具が撤去され、代わりに「ボール投げ禁止」の看板が立て掛けられる昨今、子どもたちがテレビゲームに夢中になるのも無理はありません。しかし、わが子をもっとのびのびと遊ばせたいとお考えなら、お近くのプレーパークに足を運んでみてはいかがでしょうか。

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プレーパーク(冒険遊び場)とは?

プレーパークとは、土、水、木などの自然を使って子どもが自由に遊ぶことができる空間です。ブランコや滑り台などのお膳立てされた遊具は用意されず、子どもたちは落ち葉を頭からかぶって遊んだり、木材で基地を作ったりなど、好奇心や欲求を制限されることなく自由に遊ぶことができます。怪我の責任追及や騒音への苦情によって、子どもの遊び環境が窮屈さを増す中、プレーパークは子どもがやりたい遊びを自分の手で試すことができる貴重な場となっています。

日本で初めてプレーパークが作られたのは1970年代はじめのことです。子どもの遊び環境に疑問を抱いた故・大村虔一氏がヨーロッパの冒険遊び場に感銘を受け、日本にも子どもが自由に遊べる空間を増やしたいと考えたことから、プレーパークの運営は始まりました。特定非営利活動法人「日本冒険遊び場づくり協会」のHPでは、全国各地に点在する181か所のプレーパークが紹介されています。

プレーパークの遊び方

プレーパークには禁止事項がありません。子どもたちが高い木に登ったり、ナイフを使って木を削ったりしても、出来るだけ口を出さずに遊びを見守るというのが、プレーパークの基本姿勢です。曜日や時間を限定して火を使うことも許しているプレーパークも多くあり、子どもたちはその場で友達を作りながら、様々な遊びを体験します。

プレーパークは自治体の補助金やNPO法人の自己資金で運営されているため、基本的な利用は無料です。場所や場合によって保険代や材料代を集めることはあるので、不明点はプレーパークに問い合わせて見ましょう。
利用に年齢制限はありませんが、未就学児は安全のため保護者の付き添いが必須です。

プレーパークの注意点

プレーパークには、子どもたちの自由な遊びをサポートするためにプレーリーダーという大人たちが必ず遊びを見守るようになっています。トラブルがあれば大人たちが迅速に対応できる体制が整ってはいますが、楽しく遊ぶのが主目的なので、小さな怪我や汚れを重大視しないような心構えをしておきましょう。

また、プレーパークでの遊びは汗をかいたり泥だらけになったりするものばかりです。遊ぶときは汚れてもいい服を着せ、帰りの着替えを持っていくと思いきり遊ぶことができるでしょう。

自分の責任で自由に遊ぶことの意義

普通の公園や学校では安全が最優先に考えられているのに対し、プレーパークでは子どもたちの好奇心や挑戦が第一に尊重されます。
子どものうちに小さなあざや擦り傷をこしらえたりしながら、大きな事故を避けられるような身のこなし方を学ぶことも、プレーパーク運営者が掲げる目標のひとつです。

この考えに同意し、子どもに自然とのふれあいを体験させたいという方は、ぜひ子どもと一緒にお近くのプレーパークに遊びに行ってみてください。